tea-blog

アクセスカウンタ

zoom RSS Darjeeling, Thurbo T. G. - 早春のダージリン タルボ茶園

<<   作成日時 : 2015/03/26 21:42   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 2015年3月中旬に、インドのダージリン地方と、シッキム州を訪ねてきた。ファーストフラッシュの生産が始まったばかりか、直前か、という微妙な時期だったが、9年ぶりのインドは、なつかしい再会と、新鮮な驚きと、ホコリにまみれたものだった! 3日めからのお腹の不調もなんのその、日本から持参した整腸剤を祈るような気持ちで飲み続け、帰国する頃には回復した。

 今回はグッドリック社のご厚意により、同社が経営する名茶園、タルボ、キャッスルトン、マーガレッツホープに各1泊ずつした後、ティープロモーターズ社のセリンボーン、その隣のジャイシュリー社のサングマと、ダージリンでは計5茶園を訪問した。どの茶園でも、来訪者名簿に記入する際、2015年の最初の訪問客という光栄に浴することができた。3月下旬からは、次から次へと日本人を含むバイヤーの訪問が予定されており、今回のように各茶園での手厚いもてなしはおろか、見学も許可されなかったかもしれない。

 まずはタルボから。午後の国内便でコルカタからバグドグラ空港まで飛び、ダージリン地区の西端、ネパールとの国境に近いミリック・ロードを登って行く。途中、ガヤバリ、シンブリ、フグリ、ソーレニなどの茶園を通り、ミリックの街を抜けると、タルボに到着する。ソーレニ茶園辺りでの夕陽の美しさにウカウカしていたら、タルボに到着したのはすっかり陽が落ちた頃だった。「まず製茶工場に来て下さい」という、ダージリン地区の統括マネージャーで、製茶アドバイザーのJ.D.ライさんの指示で、工場に向かう。マネージャーの事務室に入り、ライさんと会ったとたんに、お互いに「あっ」と顔を見合わせる。「以前、会ったことがあるよね」とライさん。「私が工場長を務めていた頃に、キャッスルトンに来たことがあるでしょう?」と言われて、「あぁ、そうだ」と思い当たった。よく覚えていて下さったと、うれしくなった。

画像

画像

ネパールとの国境に近いミリックの街のそばにあるタルボ茶園の製茶工場。食品安全マネジメントシステムのISO22000、レインフォレストアライアンス、倫理的紅茶パートナーシップの認証を受けている。製茶工場の標高は5200フィート(約1585m)。

画像

タルボの茶畑。茶畑面積は約489haで、2014年は243トンの紅茶を生産した。谷の向こう側はネパール。インド人、ネパール人は自由に行き来できるので、国境はあってないようなものだが、他の外国人の越境は不可。
http://www.goodricke.com/tea-gardens/darjeeling/thurbo

「まだまだシーズンが始まったばかりで、来週あたりに最初のロットがまとまると思う」とライさん。「では、バンガローに行きましょう」と、車で数分のところにあるマネージャーの居宅兼ゲストハウスに案内してくれた。

画像

タルボ茶園のマネージャー用バンガロー。左の棟がゲストハウスになっている。

 ウェルカムドリンクは、期待を裏切ることなく、淡い淡い水色のファーストフラッシュだった。シーズンのごく初期だから、こんなにメロウなのかと思いきや、「今は誰も、キリリとした渋味のあるファーストフラッシュなどは作らない」とライさん。「渋いファーストフラッシュのほうがいい、などと言うのは、年配のティーテイスターだけだね」と続ける。
 いっしょに出してくれたのが、クッキーやら、チーズトーストやら。丸いクッキーは、「タルボで採れたショウガを入れた、手づくりのジンジャークッキーなのよ」と、奥さんのシノリタさんに強く勧められ、何枚かいただいた。ショウガの風味が効いた、素朴な味わいだった。

画像

ごくごく淡い水色のタルボのファーストフラッシュ。2015年DJ-1というインボイスナンバーになる紅茶の一部。奥の丸いクッキーがタルボ産ショウガの入ったジンジャークッキー。

「コルカタから飛行機で来ると、まだ体の中に暑さが残っているから、しばらくは寒さを感じないけれど、ダージリンでは朝晩は冷える。私たちもまだセーターを着ているよ」とライさん。バンガローの応接間の暖炉に火を入れてくれ、ゲストハウスの寝室のベッドには電気毛布を用意してくれていた。3月中旬ともなると、コルカタは日中は30℃前後まで上がるが、標高の高いダージリンはコルカタより10℃くらい気温が低いようだ。

画像

応接室の暖炉の前で、「ここが一番いい」と温まりながらくつろぐライさん。

 バンガローは南東向きで、日の出が良く見えるというので、翌朝、空が明るくなってきた5時半ごろから起き出して、前庭に出て日の出を待つ。内心、早朝と夕方に約1時間のウォーキングに行くというセノリタさんといっしょに歩きに行けたらと思ったが、セノリタさんの出発のほうが若干早かったようだ。

画像

バンガローの庭から見たタルボの夜明け。右側に見える建物が製茶工場。

画像

朝日と反対側、ゲストハウスの屋根の上には、まだ明るい月が出ていた。


 しばらくしてシノリタさんがウォーキングから帰ってきた。「いっしょに歩きに行けたらと思ったのですけれど、出かけたのが早かったのですね」と声をかけると、「あら、そう言ってくれれば良かったのに」とシノリタさん。「早起きできるかどうか、自信がなかったので」と答えた。シノリタさんが着替えに行っている間も、芝生の上で朝日を見ていたら、バンガローのスタッフが庭先にある展望小屋から椅子を運んできてくれ、また朝の紅茶も外で用意してくれた。バンガローを見上げると、2階の窓からシノリタさんが笑顔を見せていた。

画像

バンガローの庭には展望小屋がしつらえられている。


画像

椅子やサイドテーブルを用意し、紅茶を淹れて来てくれたバンガローのスタッフ。

画像

画像

朝6時半ごろ、バンガローの庭でいただいたモーニングティー。シノリタさんから、「大きめのティーカップにしましょうか?」と聞かれ、もちろん「はい!」と即答した。

画像
 
お花畑のように手入れの行き届いたバンガローの庭。スタッフは朝6時台から仕事開始。

 朝食前に、いよいよ製茶工場見学。昨晩というか、今朝、3時ごろから4時半ごろにかけて、93kgの萎凋葉から42kgの紅茶を製茶したという。言ってくれれば見に来たのに! テイスティングルームで、タルボの荒茶(dryer mouth)、篩い分け後(sorted)のほか、マーガレッツホープの荒茶、篩い分け後、キャッスルトンの荒茶のサンプルをテイスティングさせてもらった。どれもメロウでおいしいお茶だが、強いていえばマーガレッツホープが好みかな。マーガレッツホープのサンプルには、ライさんの意見、指導を求めるためか、乾燥時の温度は華氏255度(124℃、やや低め)と記載されていた。

画像

工場の横に作られたテイスティングルームへの入口


画像

画像
 
ファーストフラッシュ5種のテイスティングを用意してくれた。左から、タルボの荒茶、篩い分け後、マーガレッツホープの荒茶、篩い分け後、キャッスルトンの荒茶。淡い黄色の水色で、紅茶というより台湾のウーロン茶をイメージさせる。どれも2015年のDJ-1として出荷される紅茶で、すでに売約済み。

 製茶工場内の見学は、かなり厳重に管理されるようになった。「見学時の心得」として、手洗いの励行、白衣、帽子、マスク、専用スリッパ(あるいは靴カバー)の着用、健康状態申告書への記入のほか、アクセサリー類はすべて外し、製品や機械類には触れない、何かあったらすぐにマネージャーに連絡する、といった内容がビッシリ書かれている。グッドリック社に限らず、今回訪ねた茶園すべてで同様の見学スタイルが徹底されていた。

画像

「製茶工場内見学時の心得」。ここまでしなくても、という気がしないでもないが、製茶工場内が清潔に保たれ、食品としての安全性が重視されるのは良いことだ。

画像

揉捻機。萎凋葉50kg用と80kg用の2種がある。タルボでは、年間通じて揉捻は1度だけ。2回め、3回めの揉捻は行なわない。ファーストフラッシュの場合は、12〜14時間萎凋して水分を55〜60%飛ばした後、圧力をかけずに20分ほど揉捻する。セカンドフラッシュ以降は20〜40分揉捻する。

画像

発酵用の台。ファーストフラッシュの場合はわすが15〜20分、台の上に揉捻葉を広げるのみで、その後すぐに乾燥機に入れる。セカンドフラッシュ以降はこの台の上に1時間半〜2時間ほど揉捻葉を広げ、発酵を促進させる。

画像

乾燥機。ファーストフラッシュは華氏260度(127℃)で、セカンドフラッシュ以降は華氏270度(132℃)で、それぞれ約20分かけて乾燥させる。

画像

今朝方製茶された約42sの紅茶。


画像

画像

茶葉の形状を整えるソーティングと、ソーティング後の茶葉。


画像

製茶工程を説明してくれる工場長のダスさん。訪問客も工場内見学時は、ダスさんのように帽子、白衣の着用が求められる。

画像

タルボ茶園の現マネージャー、パルミンダー・シンさん(左)と、J.D.ライさん。


画像

右側のブルーの屋根がついているところが幼木を育てている苗床。

画像
画像

ようやく新芽が出てきたばかりの茶畑。


「以前タルボに来たときには、大規模な茶樹の改植が行なわれていました」と言うと、ライさんは、「改植を積極的に行なっているのは、グッドリック社くらいだよ」と誇らしげ続けた。「タルボでは約100ha、マーガレッツホープでは78haが“ヤングティー”なのだから」とライさん。「“ヤングティー”って、樹齢でいうと、何年くらいの茶樹ですか? 10年くらいですか?」と聞くと、「いや、30年以下くらい。そもそも、マーガレッツホープは創設150年、タルボは142年の歴史ががある茶園だよ。樹齢100年以上の茶樹が多いのだから、樹齢30年くらいなら“ヤングティー”でしょう」という説明に、ナットク。

画像

バンガローでの朝食後、前庭の芝生の上で紅茶を飲みながら語るライさん。

画像

温かくもてなして下さったライさん夫妻。


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
Darjeeling, Thurbo T. G. - 早春のダージリン タルボ茶園 tea-blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる