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zoom RSS Darjeeling, Margaret’s Hope T. G. - 早春のマーガレッツホープ茶園

<<   作成日時 : 2015/04/11 17:11   >>

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 山のふもとのシリグリとダージリンの街とを結ぶ幹線道路から、いったん谷に降りて小さな川を渡り、再び山を登って尾根を回ると、ようやく威風堂々たる製茶工場が見えてくる。工場を間近に見下ろす場所にあるマネージャーのバンガローに着くと、天空の楽園に来たのではないかという思いがする。1864年からの歴史を誇り、かつての英国人オーナー、クルイクシャンク氏の娘、マーガレットがこよなく愛した茶園。「きっとまたここに戻って来る」と固く約束し、イギリスに帰る船に乗ったマーガレットだったが、熱帯性の病にかかって命を落とし、その希望を果たせなかった。愛娘マーガレットの死を悼んだクルイクシャンク氏が、1927年に茶園名を“マーガレットの希望”と変えた。以前の名前はバラ(大きな)・リントン。隣接してリントンという茶園があり、以前はリントン産の生葉もマーガレッツホープの製茶工場で加工していたが、マーガレッツホープがレインフォレストアライアンスの認証を受けたため、リントンも同認証を得るまでは、他の製茶工場で製茶している。現在はキャッスルトン茶園と同様、グッドリック社グループのアムグーリー・インディア社に属している。
http://www.goodricke.com/tea-gardens/darjeeling/margaret-s-hope

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マーガレッツホープ製茶工場。茶園創設は1864年で、150周年を迎えた2014年11月には、盛大な記念ガーデンパーティを行なったそうだ。

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製茶工場付近は、まさに見渡す限りの茶畑。


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製茶工場のすぐ上にあるマネージャー用のバンガロー。


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バンガローの正面にある展望テラス。ここはまさに、天空の楽園!


 また、私の古い地図では「マーガレッツホープ&マハラニ」と表記されている。幹線道路に近い場所がマハラニ茶園で、そのセクション01は1875年に植えられた中国種の茶樹から今も生産を続けている。少し下の川の近くにあるのがディララム製茶工場。「2つの製茶工場を稼働させるより、1カ所にまとめたほうが効率的なので、今はマーガレッツホープの工場で製茶している。ただし、「何かあったらすぐにディララム製茶工場を動かせるように、取り壊さず、機器類もそのままにしてある」と、2015年1月にマネージャーに就任したチャタジーさんが説明してくれた。また、ディララム製茶工場の先に、ダージリン地区の自治政府GTA(Gorkha Territorial Administration)による観光用コテージの建設が進められていた。ダージリン地区の茶園の中には、観光客向けのゲストハウスを経営するところが出てきており、インターネットの旅行サイトでの評価も高く、なかなか人気があるが、紅茶の生産と観光施設の経営を同じ場所で行なうのは、やはりいい面と悪い面の両方があるだろう。観光事業の一環からか、ところどころ茶園内の道路を工事していた。道幅が狭いので、車1台が通れる状態になるまで待つしかない。

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現在はマーガレッツホープ茶園内の一区画と位置づけられているマハラニ茶園。

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マハラニ茶園のセクションNo.1は、1875年に植えられた中国種の茶樹から今も生産を続けている。

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右側が、現在は休業中のディララム紅茶工場。写真中央の奥側が、GTAによる観光コテージ建設予定地。

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マハラニ、ディララムも加えたマーガレッツホープ茶園の茶畑面積は577.57haで、年間約200トンの紅茶を生産している。

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泣く子もだまる道路工事。通れるようになるまで待つしかない。

 特に、茶園内にはサラマンダー(salamander)が棲む小さな湖があり、観光客がサラマンダーを獲ったり、水遊びをしたり、ゴミを捨てたりしないように、フェンスで囲もうと計画中だ。サラマンダーは、辞書で引くと山椒魚とか、火トカゲと出てくるが、チャタジーさんの説明によると、「アリゲーターの仲間で、体長は20〜30cmくらい、恐竜の時代から変わらない姿をしている爬虫類」とのこと。アリゲーター(ワニ)というより、山椒魚の一種か、はたまたトカゲの類だろうか。

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茶園内にあるサラマンダー湖。湖のほとりにあるサラマンダーの絵だと、体長1メートルくらいのワニのようだが、実際にはそれほど大きくはなく、体長20〜30cmほどらしい。何匹くらい生息しているのかも不明だが、茶園の人たちはこの湖の「住人」を静かに見守ってきた。今後、多様な観光客が増加する可能性を懸念し、湖の周りにフェンスを巡らせる計画を立てている。

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サラマンダー湖の周辺には、光り輝く芯芽をもつ「AV2」などの改良品種(クローナル)が植えられている。茶葉の新芽の成長期には茶畑全体が白く光って見えるほどだという。この特徴を生かして「ホワイトティー」という名前で出荷している。

 マーガレッツホープは有機茶園ではないが、マハラニ、ディララムも含め、レインフォレストアライアンス、ISO22000、UTZの認証を受けている。また、2013年から8基のスプリンクラーを設置し、11月ごろから春ごろにかけての乾期には、ふもとの川の水をくみ上げて試験的にかんがいを行なっている。川の水量が多くなる5月以降の雨季には、ミニ水力発電施設を稼働させて茶園内に電力を供給している。

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乾期に試験的に使用しているスプリンクラー。


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ふもとの川を利用したミニ水力発電施設の案内板。「hydel」とは「hydroelectric(水力発電の)」の意味で、辞書にも収録されている、れっきとしたインド英語。

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有機茶園ではないが、環境に配慮している「証人」として、茶畑の中を通っている際、車の窓ガラスにてんとう虫がやってきた。

 幹線道路沿いには、小ぢんまりしたグッドリックティーセンターがあり、グッドリック社グループで生産された紅茶を買うことができる。ただ、幹線道路沿いだとスペースが限られるため、少し茶園内に入った場所に移し、テラス席も増やす計画という。ティーセンターに関しては、観光客の増加は好材料になるだろう。

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幹線道路沿いにあるグッドリックティーセンター。


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この日は特別に、まだティーセンターでは販売されていないファーストフラッシュを淹れてくれ、外のテラス席で飲ませていただいた。このロケーションで飲むと、味わいも格別。

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幹線道路近くに設置されているマーガレッツホープ茶園の看板。「製茶工場まで60km」という表示に驚いたが、実際は約「6km」。チャーターしていた車の運転手も「60kmだったらシリグリまで行ってしまうよ」と苦笑していた。

 製茶工場内を見学させてもらった。その日は稼働していなかったが、清掃が行き届き、ゴミもホコリも見当たらない。ここでもやはり、見学者は白衣、帽子、靴カバーを着用する。

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製茶工場の入口に勢揃いしてくれた茶園の幹部スタッフたち。右端がマネージャーのチャタジー氏。

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製茶工場の標高は4590フィート(約1400m)。


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揉捻機。ファーストフラッシュの場合は、16〜18時間かけて萎凋し、65%の水分を飛ばした後、軽く圧力をかけて30分間揉捻する。セカンドフラッシュの場合は、62〜63%の水分を飛ばし、やや強く圧力をかけて45分間揉捻する。ともに揉捻の回数は1回のみ。

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発酵台。ファーストフラッシュの場合は発酵台の上に10〜20分広げて軽く発酵させる。セカンドフラッシュの場合は、揉捻時間も含めた発酵時間が1時間30分〜2時間と長くなり、ときには3時間ほどかけることもある。

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乾燥機。ファーストフラッシュでは華氏250〜260度(121〜127℃)で24分間、セカンドフラッシュでは華氏270〜275度(132〜135℃)で24分間乾燥させる。

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篩い分け。等級別にみた生産量の割合は、FTGFOP1が62%、TGBOPが18%、GBOFが19%、OFが1%ほどになる。ちなみに、FTGFOPとは、Fine Tippy Golden Flowery Orange Pekoe の頭文字だが、一説には、Far Too Good For Ordinary People とも言われている(!?)

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テイスティング。「幸せは買えないが、紅茶は買える。その紅茶はあなたを幸せにしてくれる」と書かれたパネルが目を引く。

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左から2つめのカップがホワイトティー。クローナル種の特徴が際立ち、紅茶というよりハーブティーのような香味を持つ。その右隣が中国種から製茶したファーストフラッシュのサンプル。「水色はいつでも、クローナルより中国種のほうが赤みが強い」とチャタジーさんが説明してくれた。どのサンプルもすでに売約済み。

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翌朝のモーニングティーは、朝の爽やかな空気が気持ちいいベランダでいただいた。上品な香味の素晴らしいセカンドフラッシュだった。

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バンガローの近くに備え付けられた方位の目印には、小鳥のエサ入れがついており、スズメたちが朝食をついばみに来ていた。


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