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zoom RSS Darjeeling, Selimbong T. E. - 早春のダージリン、セリンボン茶園

<<   作成日時 : 2015/04/20 21:19   >>

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 セリンボン茶園と、その向かいのシーヨック茶園は、ともにティープロモーターズ社の経営で、バイオダイナミック農法に取り組んでいる。今回訪ねたのはセリンボン茶園だけで、シーヨックは春霞なのか降雨の前触れなのか、うっすらともやがかかる向かいの山の斜面を見ながら、「あの辺りにシーヨックの製茶工場がある」と指差された先に、ぼんやりと工場の輪郭を望んだだけだった。
 セリンボン茶園に到着すると、今シーズン2回めの茶摘みが行なわれていた。まだまだ新芽の量が少ないので、その日の茶摘みは午前中で終了する。まずは急いで茶畑に行き、茶摘みの様子を撮らせてもらった。

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3月5日の初摘みに続き、3月13日に2回めの茶摘みが行なわれていた。

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まだまだ新芽が出始めたばかりで、摘める量は少ない。


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カゴの中には、葉を傷つけることなく、やさしく、ていねいに摘まれた美しい生葉が入っていた。

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今日は午前中だけで茶摘み終了。摘んだ生葉を製茶工場に運ぶ女性たち。

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セリンボン製茶工場の標高は1429m。


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セリンボン製茶工場はT字型をしており、ソーティング(篩い分け)ルーム(1階)、萎凋槽(2階)は、山の斜面側に突き出した部分に設けられている。

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摘んできた生葉を計量する。


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計量も終わり、今日の仕事はひとまず終了した女性たち。


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3月13日にセリンボンで摘めた生葉は計35kg。


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午後にシーヨックの生葉131kgがセリンボンの製茶工場に持ち込まれ、一晩かけて萎らせる萎凋を行ない、翌日いっしょに製茶するとのことだった。


 セリンボンの茶畑は南東向きの斜面が多く、茶畑面積は153ha。また、周辺で茶樹を育てている小規模農家のグループ「サンジュカ ヴィカス サンスタ (Sanjuka Vikas Sanstha)」があり、セリンボンの指導により同様にバイオダイナミック農法を実践し、摘んだ生葉はセリンボンの工場で製茶されている。セリンボンでは、有機栽培に切り替えてから約15%収量が減少し、現在は年間約60トンの紅茶を生産している。小農家グループの「サンジュカ ヴィカス サンスタ」の生葉から製茶する紅茶は年間約10トンで、「セリンボン EX」の商標で出荷している。なお、向かいのシーヨック茶園は北東向きの斜面が多く、茶畑面積は158ha、年間60〜70トンの紅茶を生産している。
 
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セリンボンの茶畑。この日は霧なのか春霞なのか、谷のすぐ向こうもぼんやりとした風景しか望めなかった。

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製茶工場内に入る際は、エプロン、帽子、マスク、靴カバーを着用する。

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製茶工場の入口に掲げられた、常に改革・改善に取り組む姿勢を宣言するボード。「われわれセリンボン茶園は、すべての製茶工程および衛生管理に携わるひとりひとりが厳格な監視体制に積極的に関わることにより、世界的に受け入れられる品質水準や衛生状態を保つだけではなく、顧客の期待を超えていくために尽力する。さらにわれわれは、あらゆる面において継続的な改善に取り組み、技術の進歩や需要および業界の変化に対応すべく、すべての工程を見直し、更新し続けていく」

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ナチュールランドによる有機栽培認定書。2015年2月に、セリンボン茶園は有機栽培の認証獲得20周年(左)、サンジュカ ヴィカス サンスタは15周年を迎えた。

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揉捻機。


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乾燥機。


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篩い分け室。


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篩い分けた仕上がり茶を、サイズごとに保存するビン。


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中国製の小型の揉捻機などを導入し、ときに中国茶系のお茶も製造している。

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3月5日に摘んだ生葉から手作りした“パールティー”。紅茶として製茶したもの。

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テイスティングルームでは、昨シーズンのサンプルも含めて、9種のサンプルをテイスティングさせてもらった。

 有機農法では、牛の排泄物やミミズなど、さまざまな生きものの力を活用して作物の生育を促進する。特にミミズは、土中を動き回ることで土壌と有機物を撹拌し、さらには通気性や透水性を高める働きをしている。さらに、有機成分を分解し、植物が利用しやすい状態にするなど、ミミズの活動は土壌の化学的性質の改善に貢献している。セリンボン茶園では、茶畑の一画にコンポストを作り、ミミズによって牛糞を分解させ、堆肥をつくっている。

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ミミズの力を活用した堆肥作り。


 バイオダイナミック農法とは、有機栽培の一種で、オーストリア帝国(現在のクロアチア)出身の神秘思想家、ルドルフ・シュタイナー(1861〜 1925年)の講義をもとに、教え子や賛同者たちにより実践されてきた。化学肥料による弊害を克服し、自然のリズムと調和した持続可能な農業を目指している。農業における種まき、施肥、収穫などの時機を天体の動きに合わせて選ぶほか、土壌のバランスや植物の健康を保つため、天然のハーブや鉱物、家畜を利用して作った独特の調合剤をコンディショナーとして使用する。セリンボン茶園では、BD(バイオダイナミック)500、BD502、BD503、BD505、BD506、BD507などの調合剤をつくっている。またセリンボン茶園産の紅茶は、バイオダイナミック農法による生産物であると、ドイツに本部を置くディメーター(Demeter)の認証を取得している。

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バイオダイナミック農法の調合剤に使用するために、茶園内で栽培しているセイヨウノコギリソウ(左)と、タンポポの花。

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バイオダイナミック農法の調合剤をつくる“腐植土室”。


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BD500は、牛の角に牛糞を詰めて土中に埋め、6カ月後にとり出し、1ha当たり62.5gを2リットルの水で希釈してまく。

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BD502は、セイヨウノコギリソウ(yarrow)の花をアカシカの膀胱に詰め、6カ月おいてからまく。

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BD503は、秋にカモミールの花を牛の小腸に詰め、春にまく。


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(BD504はイラクサの腐葉土を乾燥させておき、使うときに煎じてまく) 
BD505は、オークの樹皮を砕き、牛の頭がい骨から脳を取り出して詰め、6カ月置いてまく。


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BD506は、タンポポ(dandelion)の花を牛の腹膜に詰め、6カ月土中に埋めてからまく。
(BD507は、セイヨウカノコソウ(valerian)の花を絞り、発酵させたもの)


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製茶工場のすぐ近くにある、セリンボン茶園の元・マネージャー用バンガロー。現在のマネージャーは別のバンガローに住んでおり、常駐する主がいなくなって3〜4年経つ。訪問客があったときに使用する程度で、普段は施錠している。広々した芝生の庭の一部では、バイオダイナミック農法の調合剤に使う花が栽培されるようになった。

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