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zoom RSS 紅茶の国スリランカで、紅茶とともに生きる人たち <2>紅茶生産の現場からD

<<   作成日時 : 2016/02/03 11:42   >>

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<2>紅茶生産の現場から
DS・シバパラン

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1956年、スリランカ北部生まれ。スリランカ・タミル人で、学校の講師を務めた後、まず薬剤師の資格を取得し、続いてエステート・メディカル・プラクティショナーの資格を取り、1984年よりエステート内のクリニックの医師として働く。

 スリランカに住むタミル人には、もともとスリランカに住んでいたスリランカ・タミルと、プランテーション労働者として南インドから移住してきたインディアン・タミルがいます。私はスリランカ北部で生まれたスリランカ・タミルで、この20年間、エステート内の医師として働いています。

 父親はスリランカの古都キャンディの近くのナワラピティヤ・カソリック・カレッジで音楽の教師をしていたので、幼稚園と学校はナワラピティヤでした。学校卒業後、最初は、学校の講師として働き始めました。その後、医療に興味を持つようになり、コロンボの薬剤師のコースで勉強し、資格を取りました。それから、エステート・メディカル・プラクティショナーの試験を受けて合格し、まず1984年2月1日から1990年12月14日までミンシングレーン茶園に勤務しました。当時は国営のジャナッタ・エステーツ・ディベロップメント・ボードの経営でした。それからディコヤのディコヤ茶園に異動し、1990年12月15日から2000年8月31日まで勤務しました。ディコヤ・エステートはハットンに向かう道路の近くにあり、現在はワタワラ・プランテーションズ社に属しています。

 2000年9月1日からラクサパーナ茶園に勤務しています。ラクサパーナは、今はマスケリア・プランテーションズ社の茶園です。ラクサパーナに移った一番の理由は、待遇の良さです。今の会社の方が給料もボーナスもいいですし、宿舎の設備もよく、バイクも使えます。妻も、以前はディコヤ茶園の教師でしたが、今は異動してラクサパーナ内の学校で教えています。娘が1人います。

 エステートでの医療活動に関わりたいと思ったのは、恵まれない人たちのために働きたい、そういう人たちを助けたいと思ったことが第一の理由です。この仕事は、ソーシャルワークのひとつだと思っています。

 もちろん、私はタミル語もシンハラ語も話せますし、シンハラ語で講義をすることもできます。シンハラ語を覚える上で一番有効だったのは、われわれの福祉活動をモニタリングをしている社会福祉信託基金という機関が、いろいろな講義を行なうのですが、それがみなシンハラ語だったことです。ですので、講義を聴くことは、シンハラ語の上達にも役立ちました。
 
 エステート内での医療従事者は、タミル人が多いです。北部出身のスリランカ・タミルもいますが、インディアン・タミルの方が多いです。中には、医師の下で働きながら一生懸命勉強して知識を得、経験的に応急手当はできるという人もいます。今は、エステートで生まれた子供たちの中にも、医学部や、医療専門学校に進んでいる人が何人かいますし、将来的には、専門教育を受けて資格を得た子供たちがエステートに戻って医療活動を行なうこともあるでしょう。
 
 外来患者の診療時間は朝7時30分〜10時で、体調の悪い人はその時間にエステート内の診療所に来ます。診療所まで来られない患者のところには、私が往診に行きます。バイクで行ったり、エステートの車を使います。また、エステート内の診療所では、応急処置や軽いケガの手当てはしますが、大ケガや深刻な病気の場合は公立病院に運びます。ここから一番近い公立病院は10kmほど離れた場所にあり、エステートが患者を搬送します。専門医の治療を受けた後は、われわれが経過を観察します。

 3カ月に1度、工場の労働者の健康診断を行ないます。心臓病、高血圧、低血圧、肺の疾患、ときにはアルコール中毒などの治療をします。工場の中は茶ぼこりが舞っているので、肺疾患のある労働者は工場内で働かないようにアドバイスをしています。屋外の労働者にはこのような定期的な健康診断はありませんが、何か体調が悪いというときにはここに来ます。

 また、妊婦教室、新生児の母親教室なども行なっていますので、その際に健康診断もしています。その他、健康指導、カウンセリング、家族計画などの指導も行なっています。 ラクサパーナ茶園ではもう2年働いていますので、全員とは言わないまでも、ほとんどの労働者とその家族の健康状態はだいたい把握しています。

 エステート内の医療の難しさは、労働者の生活習慣自体を改善しないと良くならないことがある点です。マネージャーやエステート内の学校は、その点で非常に協力的です。もっとも、中には全く非協力的な労働者もいますけれど。アルコール中毒の患者もいます。アルコール中毒は、エステートでの重大な問題です。以前は、お酒を飲んだ後でけんかを始めたりすることもありました。そこで、労働者にアルコールの体への影響について教育を行ない、それによって改善した人もいます。アルコール中毒の患者はまだ多少いますが、以前と比べたらかなり減少し、ほぼ解決されてきた問題といえます。労働者たちが飲んでいるアルコール類は、ヤシからつくる蒸留酒のアラックや、家庭で彼らが独自につくっている酒類です。酒を飲むのはほとんど男性ですが、中には女性でも飲む人がいます。アルコール中毒の患者は圧倒的に男性が多く、女性は少ないです。
 
 その他のエステートでの問題としては、経済的な問題、住環境の問題などもありますが、住宅改善計画も徐々に進んでいます。 



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私たちの会でお話ししていただけないでしょうか・・・
非公式の小さな会に変身したところです・・
kodomari
2017/04/01 11:20
お言葉ありがとうございます。会員さんは、日本茶の専門家の方たちですよね? 私のほうが教えていただく立場です。
Yumi
2017/04/01 20:39

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