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zoom RSS 紅茶の国スリランカで、紅茶とともに生きる人たち <2>紅茶生産の現場からF

<<   作成日時 : 2016/02/05 07:14   >>

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紅茶の国スリランカで、紅茶とともに生きる人たち <2>紅茶生産の現場からF

<2>紅茶生産の現場から
Fチャミンダ・ジャヤワルダナ

画像


1977年生まれ。父親がスリランカの低地のデニヤヤ地方でルンビニ茶園を創設し、経営してきたことから、1996年にスリランカ南部のマタラの高校を卒業すると、1997年から紅茶生産全般についての研修を積む。プランテーションに2年勤務して茶栽培を、製茶工場に8カ月勤めて製造工程を、ブローカーに3カ月勤めてテイスティングやブローカーの仕事全般を学び、1999年から父親の下でルンビニ茶園で働く。

 現在のルンビニ茶園のある土地を購入したのは、私の父のジャヤパラ・ジャヤワルダナです。その前は、総理大臣を務めたラトナヤカ氏が、この地域の土地をすべて所有していたのですが、分割して販売することになり、その一区画を私の父が買ったのです。スリランカでは、個人で所有できる土地は1人50エーカーまでと1970年代に決められたのですが、ここはルンビニ・ティーファクトリー・プライベート・リミテッドという会社で運営しています。われわれ家族がディレクターになっており、父がマネージング・ディレクターです。全部で150haありますが、母や姉も含め、私たち家族が共同で所有していることになっています。私は1977年生まれなので、当時のことは詳しくはわからないのですが。

 工場の名前も茶園の名前もルンビニです。父がこの土地を買ったとき、ここがルンビニと呼ばれていたからです。そこで父は、工場の名前もルンビニと名付けました。出荷時の商標は2つあり、ルンビニとルンビニワッタを使っています。ルンビニワッタとは、ルンビニ・エステートという意味のシンハラ語です。高品質の紅茶はルンビニで出荷し、あまり品質がよくない紅茶はルンビニワッタで出荷します。ブローカーは、エイシア・シヤカ社とフォーブス&ウォーカー社の2社に依頼しています。アクバル・ブラザーズ社、セイロン・ティー・マーケティング社、ゴードン・フレーザーズ社、スタッセン社などがよく買ってくれています。輸出先としては、アラブ首長国連邦が多いですが、アメリカの輸入業者も興味を持ってくれています。最近、ここを訪れたアメリカの輸入業者も興味を示してくれているので、可能性のある市場であると思います。

 デニヤヤの町は標高350mくらいで、当工場の標高は460mです。この地方は、年間通じてある程度の降雨量があるので、3、4、5月は生産量が若干多くなりますが、他のシーズンとそれほど大きな違いはありません。また、特に品質が上がるクオリティシーズンもなく、品質面も年間通じてほぼ一定しています。

 私は1996年にアドバンストレベル(Aレベル)を終えました。1997年に父親は私を他のプランテーションに、茶栽培の仕事を覚えるために行かせました。そこに7カ月いて、その後、ラトナプーラでフォーブス社が経営しているカハワッタ茶園に1年半勤務し、その後、製茶工程を学ぶために、私有の製茶工場であるニューヴィターナカンデに行きました。8カ月勤めた後、テイスティングを学ぶためにブローカーのエイシア・シアカ社に3カ月勤め、テイスティングやオークションのカタログづくりなどを学んだ後、1999年からルンビニで働いています。今も父親の下で紅茶生産について学んでいます。

 私は末っ子で、上に3人の姉がいます。私たち兄弟はみなすでに結婚し、姉のうち2人はコロンボに住んでいます。男は私1人なので、父は私に跡を継がせたかったのです。私も高校に行っている頃から、紅茶生産の仕事をしたいと思うようになりました。ただ、すぐに父の下でルンビニで働くのではなく、父親はまず、栽培、製茶、テイスティングなどを、スリランカでも高く評価させれているところで学んで来るようにと仕向けたのです。

 最近父は、私に「そろそろ工場の仕事すべてを継ぎなさい」と言ってくるのですが、「まだ私にはできない」と答えています。私はまだ父から学ぶべきことが多いと思っています。

 ルンビニの茶園、製茶工場全体の監督・運営はすべて私たちがやっています。ほか、工場長と、管理部門のスタッフメンバーが8人います。私も父も留守のときは、工場長が全体を見てくれています。

 当園で栽培している茶葉と、小農家から買った茶葉は、いっしょに製茶しています。というのは、買い入れている生葉の量に比べて、自社の茶園で栽培している茶葉の量はずっと少ないので、別々に製茶することができないからです。

 当工場では、いつも紅茶の品質を保つことに重点を置いています。他の工場と違って、質の悪い生葉は買わずに、いい生葉だけを買っているので、極端に紅茶の品質を落とすことはまずありません。これが他の工場との一番大きな違いだと思います。また、工場内を清潔に保つことを心がけています。父の時代から取り組んできたことなので、今はほぼ完成した状態だと思います。

 周辺の農家から集めてくる生葉のほとんどは、午後4時30分ごろに工場に運びこまれます。当社の茶園からの生葉は、昼頃と夕方5時ごろに工場に到着します。

 当工場では、生葉を受け入れると、まずそれを選別します。すべての袋の中の生葉を検査し、いい葉だけを選びます。痛んだ葉や悪い葉は受け入れを拒否します。われわれはいつも生産者に、「良い生葉だけ欲しい」と伝えており、検査後、悪い葉は返品します。

 萎凋工程では約45%の水分を飛ばします。最低でも8時間はかかります。温度や湿度を調整しながら、もっと長い時間をかけて萎凋することもあります。製茶を始めるのは翌日の朝7時からです。高地の紅茶工場と違って、夜中から製茶を始めるということはありません。高地では、夜は涼しく、コンディションがいいので、夜中から製茶を始めますが、ここでは朝まで待ってから製茶を始めます。萎凋の度合いを強くし、多くのチップ(芯芽)を含むようにするためです。

 萎凋葉はまず揉捻しますが、揉捻は4回行ないます。それぞれの時間は、状況によって異なりますが、1回目は20分、2回目から4回目は各25分というのが基準です。圧力は、2回目にはかけず、3回目、4回目は半分の圧力をかけます。葉を入れて最初の5分は圧力をかけ、次の5分は圧力をかけない、その繰り返しです。

 発酵時間は、揉捻開始から乾燥機に入れるまでの時間のトータルで2時間半くらいです。乾燥機の温度は、熱風を送り込む部分で華氏200度、熱風が排出される部分で華氏110度です。低地産の紅茶では、仕上がった茶葉の黒い色が好まれてきたので、以前はやや高めの温度で乾燥させていました。輸入業者が茶葉の色が黒いということを重視して買っていたのですが、この2年ほどは紅茶の味を重視するようになっているので、今はあまり高い温度にはしていません。当園は、この地域では一番品質のいい紅茶を生産していると自負しています。

 紅茶工場の経営で一番難しいのは、労働者の管理です。タミル語は、主にラトナプーラで紅茶栽培を学ぶ間に、上司から教えてもらったり、タミル人労働者といっしょに働いている間に学びました。タミル語は聞けばだいたいわかりますし、仕事の指示などを伝えることはできるのですが、自分からはあまり話せませんし、あまり複雑な話をすることはできません。

 茶園や製茶工場の労働者の賃金は業界全体で決められているので、当社でもその基準に従っています。全体の賃金が上がれば、われわれも賃金を上げています。われわれは私有の茶園なので、大規模茶園での賃上げにそのまま従うのではなく、他の私営の茶園の相場に従っています。ただ、労働局が設定している賃金基準には従わなくてはなりません。ルンビニで働いている労働者の75%はタミル人で、彼らはわれわれが提供している茶園内の宿舎に住んでいます。残りはシンハラ人で、近くの村に住んでおり、朝出勤して、夜は村に帰ります。シンハラ人の労働者には、宿舎等は提供していません。

 われわれは、労働者たちにできる限りのことをしています。父はいつもそうしてきました。ですから今は、茶園でも工場でも労働問題は一切ありません。

 2年前から、日本の5Sシステム(整理、整頓、清掃、清潔、躾)も実践しており、これはとてもよく機能しています。特に、工場のクレンリネスや、労働者の衛生面での行動についての教育に力を入れています。ISO9000:2002の取得も申請する予定です。ユニフォームなども労働者に支給しています。

 5Sを実行するようになってから得るものが多く、まず生産性が上がり、利益率もよくなりました。クレンリネスを向上させることなどについて、労働者たちがやるべきことがはっきりするからです。労働者たちに声を上げて、これをやりなさい、これはしてはいけませんと指導しなくてもよくなりました。5Sの指導・訓練には、1年半くらいかかったと思いますが、いったん覚えたら、配置場所でその基準に従って働けばいいのです。そのために生産性が大きく向上したのだと思います。

 5Sを労働者に徹底していくことは、私たちにとって大きな課題でした。当初はわれわれが教えても、どういうことか理解してくれませんでした。彼らには彼らのやり方があるので、なぜ変えなくてはいけないのかという態度でした。今はそういう態度を取る労働者はいませんし、みなよく守ってくれています。逆に、労働者たちも働きやすくなったと喜んでいます。特に、5Sを実行するようになってからは、職場は自分たちにとっても大切な場所という認識で働いています。われわれがここをそうじしなさい、あちらを片付けなさいと言わなくても、すべてを清潔に保ち、整理整頓しています。

 当工場では、週7日間仕事をしています。毎月の満月の日であるポーヤデイのみ休みで、その日は生葉を集めません。でもそれ以外は、日曜も含め、毎日仕事をしています。労働者には、日曜には休日出勤の手当てをつけています。労働者たちには休暇制度があるので、休みが欲しければ申請し、休暇を取ることができます。最低、月15日は出勤するという契約になっていますが、休みたい日はそれぞれの労働者の都合に合わせて調整します。休暇制度は製茶工場ごとに違うので、別の工場ではまた別の制度にしています。

 当工場では、月24日以上出勤している労働者には無料で紅茶を支給しています。それ以下の出勤日数の労働者は購入しなくてはいけませんが、有料の場合でも、かなり安い価格で販売しています。


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