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zoom RSS Kitul Jaggery in Kitulgala - キトゥルガーラでのジャガリー作り

<<   作成日時 : 2016/03/26 22:05   >>

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 ジャガリーとは、ヤシの花蜜から作る褐色のヤシ砂糖のこと。ジャガリーをかじりながら紅茶を飲む、いわば紅茶のお供として楽しむほか、甘味料として削ってお菓子作りに使ったり、シロップ状のものはヨーグルトに入れて食べたりする。素朴で独特の香ばしい風味と、優しい甘さが特徴だ。もっとも、作業を簡便化したり、量産するために、黒砂糖などを混ぜてジャガリーとして販売されている商品も少なくないらしい。

 ジャガリーはいろいろな種類のヤシの花蜜から作られる。その中でも、数珠状に垂れ下がる独特の花をつけるヤシの一種、キトゥルトゥリーの花蜜から作ったキトゥルジャガリーは上質とされる。スリランカ・キトゥルガーラは、その地名からも推測できるように、キトゥルジャガリーの名産地である。今回は本場キトゥルガーラで、正真正銘のキトゥルジャガリー作りを見学させてもらった。

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キトゥルジャガリー作りを見せてくれたキトゥルガーラのご夫妻。最後に奥さんがショウガ入りの紅茶を淹れてくれ、できたてのジャガリーをかじりながらいただいた。

 宿泊先のギニガッテーナのエボニー・スプリングスから、キトゥルガーラまでは車で1時間ほどなので、オーナーのバーナードさんに「キトゥルジャガリー作りを見たい」とリクエストした。「キトゥルガーラなら近いから、大丈夫。連れて行ってあげよう」と言ってくれたが、いきなりキトゥルガーラに行って、そこでジャガリーを作っている人を探すことになりはしないかと、少々不安に思っていた。しかしそこはバーナードさん、そう簡単にジャガリーを作っている現場に遭遇できるわけではないとわかっていらしたため、ギニガッテーナの街にあるキトゥルジャガリーを扱う食品店をつてに、キトゥルガーラのジャガリー生産者を紹介してもらい、手筈を整えてくれていた。

 その日はあいにくバーナードさんの愛車の調子が悪く、キトゥルガーラのデコボコした村道を走ると状態をより悪化させると判断し、愛車をギニガッテーナの修理店に預け、そこから先は三輪タクシーで行くことになった。バーナードさんにはなじみの三輪タクシー運転手が数人いて、その中の1人に電話し、修理店まで迎えに来てもらった。

 ギニガッテーナの街から幹線道路を西に進み、途中で横道に入ってしばらく行くと、ジャスミンのような芳香がところどころで漂ってきた。ちょうどコーヒーの白い花の開花時期で、村の人たちが自家消費用に栽培しているものだという。

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村のあちこちで栽培されているコーヒーが開花時期を迎えていた。可憐な白い花は、ジャスミンのような甘い芳香を漂わせる。咲いた花の数だけ実がなるので、花の咲き具合で収穫量が予想できるのだそうだ。

 村の中へと入って行き、「ここから先は徒歩」という場所まで、生産者の男性が迎えに来てくれていた。三輪タクシーを降り、山道を進むこと5分ほど。男性が森の中を指差してバーナードさんに何か説明すると、「あそこでキトゥルトゥリーの花茎から蜜を集めている。あの木の上の方に容器がついているだろう?」とバーナードさんが教えてくれた。どれが容器なのか、私の肉眼では判別できなかったが、その方向にカメラを向け、とにかくシャッターを切った。キトゥルトゥリーは数珠状に垂れ下がる花をつけるが、どうやらその花茎の根元にキズをつけ、その下に容器をくくりつけて、したたってくる蜜を集めるようだ。したたってくる蜜を集めるようだ。キトゥルトゥリーは、キトゥルパームとも呼ばれるヤシの仲間だが、普通にイメージするヤシの木とは見た目が異なり、木に近い印象だ。
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ジャガリー生産者の家まで、車の入れない山道を進む。こちらを振り返っているのがバーナードさん。

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花茎からしたたる蜜を集める容器をくくりつけているキトゥルトゥリー。木に登る際の足場用のロープが巻かれ、その右上に容器らしきものが見える。

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数珠状の花をつけているキトゥルトゥリー。この木の花茎からの蜜の採集はもう終了したそうだ。

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キトゥルトゥリーだけではなく、他のヤシからもジャガリーを作る。これはスリランカ北東部のムラティブで見た、パルミラヤシからの花蜜の採集風景。ココナッツの殻を使ったお椀状の容器が、ヤシの木の上部に取り付けられている。

 容器をくくりつけたキトゥルトゥリーの少し先に民家が現われ、奥さんと、もう1人の男性が待っていてくれた。裏庭に回ると、そこで煮詰めていけるように、花蜜らしき白いシロップが入った両手鍋が薪火にかけられていた。「普段は向こうに見える小屋の中で作るのだけれど、今日はあなたが見やすいように、外で用意してくれた」とバーナードさんが解説してくれた。

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その日は私たち見学者のために、普段ジャガリー作りに使用している小屋の中ではなく、屋外で実演してくれた。

 火にかけられた鍋の中をかき混ぜながら、だんだんと煮詰めていく。徐々にシロップの粘性が高まり、ブクブクと泡が出てきた。次第にカラメル色に色づいていく。
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白かったシロップが徐々に煮詰められ、ブクブクと泡が出て、粘性が高まっていく。

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男性が手を離して成型の準備を始めたため、焦げつかないように勝手に私が鍋の撹拌係となった。

「だいたい1時間くらいで出来上がるそうだよ」とバーナードさん。内心私は、ごく単純に、「何だ、キトゥルジャガリーって、結構簡単なのかな」と思った。

 カラメル色の濃さや煮詰まり具合を見ながら、火から下ろす。ここからは、迎えに来てくれた男性にバトンタッチ。鍋の中を引き続き撹拌して粗熱を取りながら、粘性の度合いや成型を始めるタイミングを見極める。「ちょっと硬い」と判断したらしく、家の中からピッチャーに入れた透明なシロップを持って来させ、少しずつ加えた。「何、あのシロップは?」と不思議に思い、ピッチャーから少量手のひらにのせてもらって、ひと口なめさせてもらおうとした。すかさずシロップを持ってきた男性がピッチャーに手を当てて、温度を確認。やけどはしなさそうだと判断し、少量私の手のひらにたらしてくれた。ほんのりと温かいシロップは、かなり水っぽい味わいだった。「私たちが今日来ることになったから、昨日から準備して煮詰め始めていてくれたんだよ」とバーナードさんが説明してくれた。6時間とか8時間とか一晩とか言われるが、採集した蜜をまずは焦がさないように、じっくり時間をかけて濃度を上げていくらしい。私たちの目の前で実演してくれたのは、その最終段階の約1時間だった。

 さらにバーナードさんは、「キトゥルガーラの人たちやジャグリーの生産者は、保守的で信心深く、外国人観光客にジャガリー作りを気軽に見せることはしないんだよ」と続けた。今回、見学の手配をしてくれた際に、いろいろとご苦労をかけたようだった。

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だいぶ煮詰まってきたところで火から下ろす。撹拌を続けながら、蜜の状態を確認する。

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撹拌しながら粗熱を取るうちに、少し濃度が詰まり過ぎていると判断。まだ室内で煮詰めている途中のシロップを足して調整した。

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木枠に流し込んで、ブロック状に成型を開始。


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ブロックの表面に刻印を押していく。


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木枠に入りきらず、鍋に残ったジャガリーは、スプーンでかいて一カ所に集め、団子状に丸めていく。紅茶を飲みながらかじって食べるには、ちょうどいい大きさだ。

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木枠の中でだんだんと固まってきたところ。刻印した模様もくっきりとしてきた。

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固まってきた頃合いを見計らって木枠から外し、立てて置きながら、さらに冷ます。

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でき上がったブロック状のキトゥルジャガリーを、バーナードさんと私で2枚ずつ購入。大きな葉っぱで包んでくれた。手に取ると、まだポカポカと温かかった。

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キトゥルジャガリー作りのほか、村内で食品や雑貨の販売店も営んでいる。



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